昨夜の接待爆撃(するほうね)で今日は夕方まで行動不能でした
しかし電王戦Finalさえ観られれば何も問題ありません
本局も楽しみに観戦していたのですけれど、
夕食で視聴を中断し戻ってみると前代未聞のトラブルが発生していました
永瀬六段が角駒による王手を指した際に選択した不成判断を、
コンピュータのseleneが認識出来ず玉を回避せず別の駒を指したようです
結果、投了判断とされseleneの負けとなってしまいました
形勢はseleneが僅かながら優勢で進行していたのですけれど、
最後は評価値も永瀬六段側に逆転していたようです
終局後の記者会見によればseleneの不成認識不可は完全なバグとのこと
永瀬六段は事前の練習対局でバグを把握していたそうで、
自分有利で勝敗の趨勢が見えた局面で指してみたとのことでした
練習では勝率一割程度だった永瀬六段ですが、
本番では僅かに劣勢ながら拮抗した勝負を繰り広げていたので、
その告白には驚かされました
しかもバグが出る直前には勝勢にあった訳ですから、
永瀬六段のプロ棋士としての勝負強さは一流だったことが判ります
一方、selene開発者の西海枝氏は気の毒でした
seleneは毎年一からプログラム?を作り直すそうで、
その制作姿勢はクリエイターとして賞賛されて然るべきものです
しかしその分、ブラッシュアップの期間が短くならざるを得ない筈で、
今回のバグはまさしくそれが災いした形になってしまいました
それでもこのような事態があってこそ電王戦と云える訳で、
今まで同様のトラブルが無かった事が今となっては不思議に思える程です
これまではコンピューターの長所ばかりがクローズアップされていましたが、
本局はその脆さを痛撃した結果となった訳です
途中までのじりじりする攻防は将棋観戦として充分満足できましたし、
最後となった不成の一手は、エンターテイメントとして興味深く拝見しました
現時点ではまだ、人間とコンピュータが拮抗していて面白いですね
あと数年も経てば、たいぶん情勢も変わっていることでしょう