身の丈ほどに生い茂った草藪のなかを、
素手で掻き分けて前進を続けるような一日も終わりました
いまはやっと、テントの中で束の間の休息という気分
明日は山嶺の難所に挑む、といったところ
今日は農村地帯の小さな町へ行くことになりました
友人が10年ほど前に住んでいた関係で、
幾度となく訪れていた時期もあったのですが、
友人がその町での会社勤めを辞めて引っ越してしまって以来、
訪れることが滅多になくなった場所でもあります
着いたとき、町ではお祭りが開かれていました
ささやかな規模ですが駅前の大通りを歩行者天国にして、
往来の電柱や電線のあちこちに、侘びしい電飾と神社の幟が立てられています
平日だというのにけっこうな数の、子どもを連れた若夫婦の姿を見かけました
こんないい光景は、遠くから眺めるのが一番です
その、素敵な家族団らんを横目で見ながら、
彼らとは別の宇宙の住人の、
わたしが運転する車は次々と彼らを追い越していきました