霧深い朝方、いつものようにランニング
歩くと肌寒く、走ると丁度良いスポーツ季候です
記念塔にたどり着くと塔の脚周りに霧がまつわりついていたのですが、
やがて滑るようにこちらに向かってきて、
波に打たれるように、わたしは呑み込まれてしまいました
霧の波濤に呑まれるのは、夏休みの旅行以来です
ひんやりとする刹那が心地よいものです
先ほどまでWBAのスーパーバンタムタイトルマッチを観戦
王者プーンサワット・クラティンデーンジムに李冽理が挑んだ試合
挑戦者は在日韓国人3世ということで、
同郷の元名王者、徳山昌守氏を尊敬しているそうです
やはり間合いと高度なフェイントで勝負するタイプだと思ったのですが、
よりハイブリッドで総合的なポテンシャルの高さを持っていました
それにしても、国内開催の世界戦の試合を観るのに、
インターネットでおタイのTV局の放送で観戦するというのが、
国内のボクシング事情の不遇を痛感させられます
試合は持ち前の突進力でいつものように攻めるプーンサワットと、
それを上手く捌きカウンターを打ち込む挑戦者という展開が最後まで続きました
驚くべきは李冽理のクレバーぶりです
常にロープを背負う位置での攻防を強いられつつも、
巧みなボディワークとサイドの動きで危機を回避
そしてコーナーに追い詰められた時に、
的確な間合いでの連打で見事に脱出するのには驚かされました
基本は後退しながらのカウンター狙いなのですが、
それが露骨に見えなかったのは、時折見せる中間距離でのコンビネーションと、
遠距離でのジャブが非常に効果的だったからで、
ダメージは無くとも王者に不細工な印象を与え続けることに成功しました
ムキになって打ち合う場面もありましたから、気の強いところもあるのでしょう
しかしほとんどの打ち合いの最後で、位置を変えてショートを当てるところなど、
練習の成果と思しき動きも発揮されていて、
最後まで王者を空転させ続けたと思います
ジャッジも挑戦者を支持し3対0で判定勝利
見事な番狂わせを起こしました
スタイルは異なりますが、強さより巧さを感じさせる点は、
徳山2世と呼ぶに相応しいボクシングだと思います
李冽理選手、チャンピオン奪取おめでとうございました