昨日は午後から遠隔地の現場仕事の後、とんぼ返りし夜から接待
頑なにノンアルコールを通しクルマで自宅に帰宅したのは深夜
宴中も気になって仕方なかった、世界戦の録画を飛びつくように観戦しました
衝撃のTKO負けの再起戦が2階級上の転級、
そしていきなりの王座決定戦
しかも相手は若く無敗のハードパンチャーというハイ・リスク極まりない試合
バンタム級では怪物級の強さを誇った長谷川穂積ですが、
今回は苦戦の予想が囁かれています
試合展開はまったく予測を超えたものとなりました
観戦していたファンは皆、彼の姿を見て思ったことでしょう
「一体どうしてしまったのだ」と
「神の領域」を志していたクールなスピードスターが、
まるで地べたを這いずり回るような泥臭いボクシングを展開するとは‥
理由は理解できます
しかし、ここまで徹底するとは思いませんでした
これまでの王道のボクシングを放棄、いや唾棄するかのような試合展開に、
セコンド陣も匙を投げているようでした
対戦相手の若く怖いもの知らずのブルゴスですら、
セコンドに「弱気になるな」と叱咤されてしまうほどの殺気
彼にすればリングのなかで飢えた猛獣と対峙している気分だったでしょう
だが気合いは兎も角、強振のあまりキレを無くした長谷川のボクシングは、
階級の違いもあって、真っ向勝負の打ち合いで相手を沈めることはできませんでした
しかしスピードとパンチの当て勘で格の違いを見せつけ、
地力と執念で意を通すボクシングをし続け圧勝したのですから、
長谷川穂積という類い希なボクサーの、
飛び抜けた非凡さを観客全員が感じたことと思います
とにかく、怪物ひしめく世界の頂上に、
彼が戻ってきたことを祝いたいと思います
もうひとつの世界戦、粟生対タイベルトも名勝負となりました
文句なしの実績を持つが世界の舞台では物足りなさが先に立つ粟生
しかし今戦は彼が潜在能力を開花させたような素晴らしい試合
粟生の評価を下げさせる要因となっていた「待ちの姿勢」が今回はなく、
常に主導権を握るべく手を出し続けていました
特にオリンピアンのチャンピオンに技術戦でひけを取らず、
体格差でプレッシャーを掛けることが出来たのが非常に大きかったです
中盤はいつもの悪い待ち癖が出てきて心配させましたが、
終盤に息を吹き返したところに成長の跡が見て取れました
特に今回は長谷川の為にも勝利以外の結果は許されない雰囲気
そんなギリギリの精神状態のなかで、
追い詰められた彼が一皮剥けたような印象でした