どんなジュースよりも氷水の美味しくなる季節が続いています
久々に終日の曇り空でしたが、恵みの陰というのもあるのだなと
連日の鬱屈した気持ちの切り替えをしようと思い、
全ての雑事を擲ってゲーム会のお誘いに便乗してきました
・ストラスブール(初)
・オートモービル(初)
ストレスブールはフェルトの新作
マカオで試行されていた方向性をより洗練、進化させた作品と感じます
マカオは変換資材をダイスに依拠よる強い不確定と、
膨大なカード種類が一般、マニアともに戸惑わせた野心作で、
お世辞にも世評が高くなかったのですけれど、
ストレスブールはプレイヤー共通のカードデックを、
ラウンド毎に任意枚数を引かせることでよりスマートな不確定さを演出、
さらに複雑なカード効果に類するものをばっさり放棄して、
プレイ前に配られる条件カードとその取捨選択のみで、
各プレイヤーの目指す方向性の多様さを作り出すことに成功しました
欠点らしきものがまるで見つからない、
SDJエキスパート部門の最終候補に選ばれるのも納得の作品だと思います
ついにプレイできたオートモービルも期待に違わない傑作
先駆者に常に苦難を強いる厳しさが根幹にあり、
一方でそこへ踏み込んで行かなければ、
ボディブロウのようなペナルティが累積するので勝利は覚束ない
他人に先んじるには先人のリスクにどれだけ踏み込めるかを問われます
ゲームではありますが、海のものとも山のものともつかない、
当時の最新工業品である自動車メーカーを経営する苦しさを味わえる、
リアルなシミュレーションと形容する方が正しいのかも
歴史上のキャラクターの特殊能力を選択するルールはワレススタイルを踏襲
しかし商品の不良在庫、工場の陳腐化、不要営業マンの処遇など、
ネガティブな要素を全て、黒キューブに凝縮した点などは、
素晴らしくスマートな処理方法であり、この作品を傑作たらしめています
運次第で決まる需要を基にプレイヤー間で市場を形成していますので、
インタラクションの濃厚さは目眩がするほどで、
成程、リプレイするほど味が出るわけで、熱狂的なファンがいるのも頷けます