トッド・ラングレンの名曲
「Can We Still Be Friends」の歌詞に、
It's like a sweet,sad old song
という一節があります
彼は歌のなかで、忘れられずにいつまでも残る記憶を
この美しい一節に喩えているのですが
だれにとっても、何年経っても、記憶にいつまでも残り続ける
sweet,sad old songがあるものだと思います
土曜の夜ですから、今宵はそんなお話を‥
わたしは、音楽を熱心に聴くようになった時季が、
異様に遅かったせいなのか
一般の人たちのように、音楽との気軽なつきあいができず
いつも、妙にあらたまった接しかたしかできないようです
それはまるで、とんでもない美人に語りかけるように畏まった、
奇妙なぎこちなさにも似ています
きっと、知るのが遅かったぶん、切実な、かけがいのないものになり、
だからこそ、そのときどきで聴いていた音楽が、そのときの記憶や風景に
密接に結びついてしまったりするのかもしれません
どうも話が脱線してしまいましたが、
素敵な一節を与えてくれた、Toddに敬意を表して
彼の楽曲から、sweet,sad old songを拾ってみました
わたしの誕生年に発表された作品ですから
年代的にも資格充分なはずです
彼の初期のアルバム「Runt」のセカンドアルバムから
「A Long Time,A Long Way To Go」です
まだ若々しさと女々しさの残るトッドのファルセットからはじまる
この曲を聴くと、不思議に泣けてくるのは、なぜなのでしょう