秋雨らしきものが靄明けの空から降りつづけていました
しかし、それも午前だけで、結局長くは続かず、
湿気をたっぷりと含んだ空気だけが、
うらかなしい雨の残滓として漂っているだけ
今日は午前中から仕事相手を乗せて現場へ向かいました
三文映画の端役で出てくる喜劇役者のように、
止めどなく脈絡もなく話しつづけるかたでした
愛想笑いのあとのもの悲しさは、また格別のものがあります
それでも日々は過ぎていきますから、
なるほど、時間というやつはうまくできています
現場では雨と煤にまみれました
手もズボンの裾もまっ黒です
雨用のいでたちですので、汚れるのは構わないのですが、
この雨はいけません
まるで酸のように、わたしの意気を悄気させます
やっぱり、秋ですか