今週はずっと、殿下の最新作「3121」を愛聴していました
思えば、ここ数年間はプリンスの新作を聴き逃し‥というよりも、
むしろ意識的に避けていました
なぜなら、例のゴタゴタを経ての迷走後に出したアルバムは、
どこか勢いが込みすぎている印象で、
その余裕のない音に、当時のわたしは少なからず幻滅し、
徐々に彼の足跡をたどることに興味がうすれてしまい、
いつしか過去のアルバムばかりを熱心に聴くような、
不敬者に成り下がっていたのです
でもこのアルバムを聴くと、
空白の期間を遡って聴きたくなってきました
それほどの作品です
彼の過去の多様な音楽性からさらに止揚し、
新しい舞台へ到達してしまったかのような爽快感
かつての閉鎖的で淫らな変態性も残っています
パワフルでハードな猥雑さも依然あります
でも、言葉にできないけれど、新しくて、とてつもないクオリティ
アルバムを通して聴くとその凄まじさを痛感します
シングルでインパクトを残すミュージシャンは少なくありませんが、
アルバムでは才能の持久力がものをいう
ひきだしの多さが半端ではありませんよ、本当に
とにかく、
彼は再び、時代の2歩先を歩きはじめた!
そう快哉を叫びたくなるような傑作だとわたしは思います
お奨めは2.Lolita、ガサいシンセが堪らない‥