久々に日曜日にゲームを愉しむことができました
しばらく遊戯とは縁遠いシリアスな生活をしていたせいか、
会場となったRAFALEさん宅で、すっかり和んでしまいました
遊んだゲームは最近和訳が公開された話題の戦術級ゲーム、
GMT社の「コンバット・コマンダー」です
しかしウォー・シミュレーションのファンはすでに、
おなじスケールのゲームでは最高峰にして決定版とされている、
「アドバンスド・スコードリーダー」(ASL)や、
またはそのライヴァルと目されている、
「アドバンスド・トブルク」があることを知っています
つまり「コンバット・コマンダー」だけではなく、
おそらくすべての戦術級ゲームには、
この両巨頭との差別化をどのように実現していくかということが、
非常に重要となるわけです
そしてもっとも大きな差別化をはかるには、
今やモンスターゲームと化しているASLとは正反対の方向性、
「わかりやすさ」や「プレイしやすさ」が求められる傾向にあります
(注.尤も、ASLも初心者向けの対策をしっかり行っています)
そのような背景のなかで、「コンバット・コマンダー」もやはり、
「わかりやすく」、「プレイしやすい」ゲームとしてデザインされています
そこまではわたしも予想していたのですが、
まさかここまで徹底されているとは‥というのが正直な感想です
このゲームのサブタイトルをわたしなりに表現すると、
『The game of dramatic war-movies』が相応しい
それほどドラマ性に、ひいてはゲーム性に優れたウォーゲームなのです
各軍ごとの特性はユニットだけではなく、カードでもよりわかりやすく、
徹底して表現されているのですが、
その表現力は単なる軍事力や兵器、物量の差だけでなく、
ドラマチックなイベント内容にまで及んでいます
ルールもシミュレートよりエンターテイメントが指向されていることは明白で、
イニシアチブ、攻守の明確化、終了条件、勝利条件などさまざまな項目で、
この指向を具現させるためのデザイナーの目配りがゆき届いています
まちがいなく傑作と呼べるゲームに仕上げられていると思います
しかし注意しなければならないのは、
この抜群に面白いウォーゲームが、
優れたシミュレーションゲームではないということです
それは軍事力や兵器のデータが抽象的てあるとか、そういう意味ではありません
つまり緻密な戦術を駆使したところで、
場合によっては「ドラマティック」な展開によって、
すべてが無為になってしまうこともあるということです
それが許せない方には、決してお勧めできませんが、
スリリングな戦場ドラマを手軽に愉しみたい方には、
自信を持って推薦したい、それほどの出来だと思います